ロボットマニピュレータのアクチュエータ

ロボットマニピュレータの性能は、アクチュエータの性能に大きく左右されます。マニピュレータのパワーは搭載されたアクチュエータの性能以上にはならないためです。マニピュレータの用途に合わせ、アクチュエータを選定しましょう。今回は、アクチュエータの種類と特性について解説します。

1. アクチュエータとは
アクチュエータ(Actuator)とは、エネルギーを機械運動へ変換する機械要素であり、駆動部分やそれを含む駆動機構全体を指します。ロボットマニピュレータを駆動させるには、センサとアクチュエータが必要です。制御のポイントは、センサから得られた情報をアクチュエータにいかに反映させるかです。アクチュエータを駆動力で分類すると、電磁駆動、油圧駆動、空気圧駆動、水圧駆動(駆動媒体が水もしくは海水)などがあります。今回は、一般的によく用いられる電磁駆動・油圧駆動・空気圧駆動の3種類のアクチュエータを取り上げます。それぞれの特性を理解した上で、マニピュレータの動作を決めましょう。

2. 電磁駆動アクチュエータ
電磁駆動アクチュエータとは、電磁気力で駆動するアクチュエータの総称です。ローレンツ力や磁力を利用して駆動します。駆動原理によって、直流モータ、交流モータ、誘導モータ、同期モータ、ステッピングモータなどに細分化されます。

ロボットマニピュレータで使用頻度の高い直流モータについて解説しましょう。図2は直流モータの仕組みを示しています。磁石の間にコイルを置き、電流を流すことで生じるローレンツ力を利用してコイルを回転させます。ローレンツ力の向きは磁界と電流の方向で決まり、フレミング左手の法則で確認できます。取り扱いが容易なため、直流モータの技術は古くから用いられてきました。

3. 油圧駆動アクチュエータ
油圧駆動アクチュエータとは、駆動媒体として非圧縮性の油を用いるアクチュエータの総称です。ショベルカーなど、土木・建築用機械の油圧シリンダが有名です。油圧シリンダは、シリンダ内部に外部のポンプで圧力を加えた油を流入し、ピストンに圧力を与えて駆動させます。

4. 空気圧駆動アクチュエータ
空気圧駆動アクチュエータとは、駆動媒体として空気を用いるアクチュエータの総称です。油圧駆動のようにシリンダが駆動するタイプと、回転運動を行う空気圧モータなどがあります。工場では空気圧シリンダが用いられることが多く、基本的構造は油圧駆動アクチュエータと変わりません。駆動源に空気を用いる点が、油圧駆動と異なる点です。

油圧シリンダと同様に、駆動部であるシリンダは軽量ながら、大きな力を容易に取り出せます。また、シリンダの外部からピストンに力が加えられても、内部の空気が圧縮性を持つため柔軟性があります。シリンダ内部の空気が漏れても、油のように周りが汚れない点もメリットです。軽量・柔軟性のメリットから、人間との共同作業を行うマニピュレータによく用いられます。

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