ロボットハンドの種類と特徴

挟んで持つ
挟んで持つタイプのロボットハンドは把持ハンドといいます。指の数はさまざまで、2本であったり、多いときは4本以上あったりします。関節部に設置されたモーターなどが、ロボットハンドの指を動かします。また、関節部に6軸力覚センサーなどを設置し指先の摩擦力や圧力を推定します。これによって把持力の制御を行っています。

把持ハンドは、対象物をつかんで同じ動作を繰り返す場合に向いているので、大ロットの生産工程でよく使われています。

デメリットは、機構が少し複雑になりコストが高い点です。

空気で吸引する
吸引タイプのロボットハンドは、空気を吸い込んで対象を吸着して持ち上げることができます。真空吸着ともいい、真空状態を作り出すことで吸着する仕組みです。

吸引タイプのロボットハンドは、空気で吸い込むので機構が単純です。大きな鋼板などであっても吸着できれば運ぶことができます。また、対象物とロボットハンドが擦れることがないため、傷がつきにくいです。

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一方で、対象物に水や油が付着していると吸着しきれずに落としてしまう場合があります。また、対象物に凹凸や穴があると空気が抜けてしまい吸着できません。

吸引タイプのロボットハンドは、真空発生器やコンプレッサーなどが必要なので装置全体が大きくなる場合が多いでしょう。

磁力で引き付ける
マグネットグリッパーという、磁力で引き付けるロボットハンドもあります。磁石は電磁石を使っており、流す電流のONとOFFを切り替えて持ち上げと離す動作を制御しています。

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マグネットグリッパーは、機構が単純で設計しやすく、真空吸着できないような穴や、凹凸がある形状も持ち上げられます。

デメリットは、非鉄金属を持ち上げられないことや、磁石の仕様を超える重量の対象物は持てないことです。

クーロン力(静電気力)で引き付ける
クーロン力で持ち上げるロボットハンドは、電極に電圧をかけて対象物との間に電位差を作って引き付けます。

プラスチックフィルムや通気性のある繊維などを吸着する場合に適しています。また、真空環境であってもクーロン力は発生するので、半導体の製造工程で基板を搬送する場合によく使われます。

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