一体型サーボモータとPLC・コントローラの接続方法

一体型サーボモータは、モータ本体に駆動回路や制御機能が内蔵されているため、省スペース・配線の簡略化・制御性の向上といった利点があります。近年ではFA機器やロボット、搬送装置などで広く採用されており、PLCや上位コントローラと組み合わせた運用が一般的です。

一体型サーボモータとPLC・コントローラを接続する際の基本構成・接続方式・設定上の注意点について解説します。

1. 一体型サーボモータとは
一体型サーボモータは、以下の機能を内蔵したモータユニットです:

モータ(ブラシレスサーボが一般的)

エンコーダ(位置・速度フィードバック)

ドライバ(電流制御・電源供給)

制御インタフェース(通信ポートやI/O)

一部にはモーション制御演算機能(プログラマブル機能)を内蔵

→ 外部ドライバを用意する必要がなく、PLCやコントローラと直接通信できるのが大きな特徴です。

 

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「写真の由来:Nema 23 一体型AC サーボモーター 36V JMC iHSV57-30-18-36-BY 180W 0.6N.m 3相 3000RPM

 

2. 接続方式の種類
PLCや上位コントローラと一体型サーボモータを接続する方法は、大きく以下の3つに分類されます:

(1)フィールドバス通信による接続
代表例:EtherCAT / CC-Link IE Field / EtherNet/IP / PROFINET

通信ケーブル(LANケーブル等)1本で複数軸を制御可能

高速・リアルタイム通信が可能

モーションコントロール命令をPLCから直接送信

利点:

配線が簡単

スケーラビリティが高く、多軸構成にも対応しやすい

🔴 注意点:

PLCとモータが同一プロトコルに対応している必要あり

設定ソフトウェアによる通信アドレス・パラメータ設定が必要

(2)パルス列+方向信号による接続
PLCの高速出力ユニットから、パルス信号(位置)とDIR信号(回転方向)を出力

モータはこれを受信して動作する

利点:

汎用PLCでも対応可能

安価で導入可能

🔴 注意点:

高速通信は不可(高速多軸制御には不向き)

ノイズに弱く、長距離配線では信号劣化に注意

(3)デジタルI/O制御(簡易制御)
スタート/ストップ、プリセット動作などをON/OFF信号で制御

モータ内部にプリセットされた動作をトリガーで呼び出す方式

利点:

非常に簡単、少数軸や低速動作に向く

センサやPLCの基本I/Oユニットで完結できる

🔴 注意点:

柔軟な軌道制御は不可

パラメータ設定や動作登録が事前に必要

https://www.skysmotor.com/images/202503/goods_img/1459_G_1741687475327.jpg

「写真の由来:Nema 17 一体型サーボモータ、集積式AC サーボモーター 24V JMC iHSV42-40-05-24 52W 12.5Ncm 52000RPM

 

3. 接続・設定の実例フロー
以下は、EtherCAT対応の一体型サーボモータをPLCと接続する例です。

【ステップ1】物理接続
モータとPLCの**通信ポート(RJ45)**をEtherCATケーブルで接続

必要に応じて、**電源線(DC24V/48Vなど)と安全信号(STO)**も接続

【ステップ2】PLC側設定
PLCのEtherCATマスタ設定でスレーブ機器としてモータを登録

モータメーカー提供のEDS/ESIファイルをインポート

通信アドレスやPDOマッピングを設定

【ステップ3】モータ側設定
モータ設定ソフトで**運転モード(位置/速度/トルク)**を選択

原点復帰方法や加減速時間などをパラメータ入力

必要に応じてチューニング(ゲイン設定)も実施

【ステップ4】動作テスト
PLCからモーション命令を送信し、ステップ動作・連続動作を確認

非常停止やリミット信号が正しく機能するか確認

4. 注意点・トラブル防止のコツ
項目    内容
通信プロトコルの整合性    PLCとモータが同じバスに対応しているか事前確認
ノイズ対策    信号線と電源線を分離、シールド付きケーブル推奨
モータの電源容量    起動電流・加速負荷に見合った電源を選定
STO(安全トルクオフ)    安全回路と接続し、誤動作防止策を取る
メーカー間の互換性    異なるメーカー機器間では細かな仕様違いに注意

5. まとめ
一体型サーボモータは、制御系の省配線化と機器集約を実現できる便利なデバイスですが、PLCやコントローラとの接続方法は通信方式によって異なります。目的やシステム構成に応じて、「通信方式の選定」「適切な設定ソフトの使用」「動作パラメータの確認」を丁寧に行うことが、安定動作とトラブル防止の鍵となります。

正しい理解と丁寧な初期設定により、一体型サーボモータの性能を最大限に引き出すことができます。