産業用ロボットでステッピングモーターが選ばれる理由とは?

産業用ロボットは、製造業や組立工程などで使用される重要な自動化機器であり、精密な動作や高い信頼性が求められます。これらのロボットには、ステッピングモーターがよく選ばれますが、その理由は多岐にわたります。ステッピングモーターは、精度、コスト、制御のしやすさにおいて、産業用ロボットのニーズに非常に適しています。

この記事では、産業用ロボットにおいてステッピングモーターが選ばれる理由について、いくつかの重要なポイントを解説します。

1.ステッピングモーターの基本特性

まず、ステッピングモーターの基本的な特性を簡単に確認しましょう。ステッピングモーターは、一定の角度で回転するモーターで、モーターの回転をパルス信号によって制御します。これにより、高精度な位置決めが可能となります。ステッピングモーターは、次のような特徴があります。

定義された角度で回転するため、位置決め精度が高い

オープンループ制御で動作できるため、制御がシンプルでコストが安価

低速でも高トルクを発生できる

これらの特性が、産業用ロボットにおける利用に適している理由です。

2.産業用ロボットでステッピングモーターが選ばれる理由
2-1.高精度な位置決め

産業用ロボットにおいては、正確な位置決めが不可欠です。ロボットが物をつかんだり、組み立てたりする際には、非常に高い位置決め精度が求められます。

ステッピングモーターは、一定角度で回転するため、モーターの回転を細かく制御することができます。これにより、ロボットのアームや工具の位置を高精度で制御できます。

ステッピングモーターは、オープンループ制御が可能なため、複雑なフィードバックシステムを使わなくても、十分な精度で位置決めができるため、シンプルで効率的です。

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「写真の由来:Oukeda NEMA 17 ステッピングモーター OK423P47-154A 1.2度 32Ncm 3相 1.5A 5.4VDC Dカット

 

2-2.コストパフォーマンスの高さ

産業用ロボットでは、コストの制約がある中で、性能とコストのバランスを取ることが重要です。ステッピングモーターは、比較的安価であるため、コストパフォーマンスが高い選択肢となります。

オープンループ制御が可能で、外部フィードバック機器(エンコーダなど)を必ずしも必要としないため、システム全体のコストを抑えることができるというメリットがあります。

高精度な制御を可能にするため、追加の高価なセンサーや制御装置を使わなくても済む場合があります。

2-3.低速での高トルク

ロボットの動作では、低速で高トルクが求められる場面が多いです。ステッピングモーターは、低速運転時においても高トルクを維持できるため、ロボットが重い物体をつかんだり、精密な作業を行う際に非常に効果的です。

低速での高トルクが要求されるアプリケーションにおいて、ステッピングモーターは非常に適しています。たとえば、ロボットのアームが重い部品を持ち上げるときなど、高トルクを安定して提供することが可能です。

また、ステッピングモーターは、トルクが低下しにくいため、負荷が変動する状況でも、安定した動作が期待できます。

2-4.シンプルな制御システム

産業用ロボットの制御システムは、複雑で高度な処理を行う必要がある場合が多いですが、ステッピングモーターはシンプルな制御システムで動作します。これにより、制御のコストと複雑さが抑えられ、システム全体がよりシンプルで安定します。

ステッピングモーターは、オープンループ制御で動作することができ、外部のフィードバック装置がなくても十分な精度で動作させることができます。

ドライバ回路が比較的簡単で、コンパクトであるため、ロボットシステム全体の設計が簡素化されます。

2-5.高い耐久性と信頼性

産業用ロボットは、長時間の連続運転や過酷な環境下でも使用されることが多いため、耐久性と信頼性が重要です。

ステッピングモーターは、構造がシンプルであり、ブラシを使用しないため、摩耗の少ない動作が可能です。そのため、長期間の使用でも信頼性が高く、メンテナンスコストを抑えることができます。

また、過負荷に強い特性があり、ロボットが急激な負荷の変動に直面しても、安定した動作を維持することができます。

 

 

 

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「写真の由来:OUKEDA NEMA 17 ステッピングモーター 17HS8401 2A 59Ncm 1.8度Dカット 3Dプリンター用

 

3.産業用ロボットでステッピングモーターを選ぶ際の注意点
3-1.高回転速度や高トルクが必要な場合

ステッピングモーターは低速時にトルクを維持する特性がありますが、高回転速度や高トルクを要求される場合には、選定時に注意が必要です。特に、急速回転を必要とするアプリケーションでは、ACサーボモーターやブラシレスDCモーターの方が適していることもあります。

3-2.振動とノイズ

ステッピングモーターは、特に高速運転時に振動やノイズが発生しやすいことがあります。これを最小限に抑えるためには、マイクロステップ駆動を使用したり、適切なダンピング対策を施すことが有効です。

4.まとめ

産業用ロボットにおいて、ステッピングモーターはその高精度な位置決め能力、低速での高トルク、高いコストパフォーマンスから、非常に有用な駆動機器となっています。シンプルな制御システムと耐久性を備えているため、多くのロボットシステムで選ばれています。

ただし、ロボットの用途や要求に応じて、適切なモーターを選ぶことが重要です。高回転や高トルクを必要とする場合や振動・ノイズが懸念される場合には、別のモーター選択肢も考慮する必要があります。

ステッピングモーターは、低速運転や精密な制御が求められる場面において非常に強力な選択肢であり、産業用ロボットにおいては今後も重要な役割を果たすでしょう。