今回は、既存製品にアフターパーツを取り付けるために、3Dスキャナ・ソフトウエア・3Dプリンタを使用したワークフローをご紹介します。まずはアイデアスケッチからインダストリアルクレイを使って立体造形のクレイモデルを制作し、3Dスキャナでスキャニングするところまでをご紹介します。
●スキャニングするまでのワークフロー
アイデアスケッチ
オリジナルの状態をスキャニング
クレイモデリング 下地づくり
ピン角づくり
フィレット
スキャニング
●使用したインダストリアルクレイ
・トゥールズインターナショナル インダストリアルクレイ
プロダクトデザインなどの立体造形の開発・検討に使用される専用の粘土。指定温度の45℃/60℃に加温することで軟らかくなり造形することができます。熱湯で温めながら軟らかくしました。
●使用したスキャナ
・Geomagic Capture®
カメラ式のスキャナで精度が高く、さまざまな用途に使える特徴があります。
●使用した既存製品(フロントバンパー)
1.アイデアスケッチ
複数のアイデアを出して、クレイモデリングするデザインを一つに絞ります。
2.オリジナルの状態をスキャニング
パーツを取り付ける前の下地の状態をデジタルデータにするため、スキャニングします。あとでクレイを持った後、オリジナルのデータとの差分でクレイ内側の形状を得ることができます。
3.クレイモデリング 下地づくり
クレイが後に剥がれてしまわないように、薄く強く押し付けながら下地を作ります。
ある程度の大きさになるまで、空気が入らないようにクレイを盛り付けます。
4.ピン角づくり
クレイを盛り付け終わったら、専用のクレイシェイパーを使って削っていきます。
削りと盛りを交互にしながら平らな面にしていきます。
後の制作で一定幅のフィレット加工がしやすいように、ピン角の状態(角と角で構成されている)にします(ステッピングモーター)。
5.フィレット
ピン角の状態が作れたら、一定幅のフィレット加工します。
周りの形状に馴染んできました。
6.スキャニング
クレイモデリングが完了したら、デジタルデータ化するために3Dスキャナでスキャニングします(バイポーラステッピングモータ)。
Geomagic Capture® を使ってクレイモデリングを測定します。
カメラ式の測定機を使用しているので精度の高くきれいなデータをスキャニングすることができました。