HB型モータの構造と動作

HB型モータのロータの基本構造は、図1 でみるように、軸方向に着磁した円筒形磁石を、2枚の鉄製ロータ(回転子)でサンドウィッチ型に挟んだ構造です。ロータには円周上に歯が刻まれています。2枚のロータは、軸方向から見て歯が1/2ピッチ分ずれるように取り付けられます。固定子には、励磁コイルを持つ複数の極があり、それぞれの極にもロータと同じような歯があります。

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図1 HBモータのロータ

図2 は、HB型の回転原理を理解しやすくするために、構造を簡素化した図です。

ステータ(固定子)には、励磁コイルをもつ複数の極があり、それぞれの極にもロータと同じような歯があります。

この図では固定子巻線が4つあり、ロータを挟んで相対するコイル同士が、2組のコイル群として結合されています。コイルは、通電により相対する2つの極が、互いにN極とS極になるよう結合されています。ここで上下のコイルをA相、左右のコイルをB相とします。

図のロータには15枚の歯があります。白い方のロータは手前にあって、永久磁石によりN極に磁化されているとします。色のある方の歯は、奥にあってS極に磁化されているとします。

 

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図2 HBモータの構造を簡略化した図

それでは、動作の様子を図3 で見てみましょう。

初期状態で、A相に図の上極がSに、下極がNになるよう通電します。白い方の歯はNなので、A相のS極と引き合い、黒い方の歯はSなので、A相のN極と引き合っています。

コイルの通電状態を次の順で変化させます。一番上の歯に●印をつけておきますので、位置の変化に注目してください(ハイブリッドステッピングモーター)。

①B相に、右極がSに左極がNになるよう通電します。手前にある白い歯は右極と、奥にある色のついた歯は左極と引き合います。●印が、反時計方向に移動しました。
②A相に、初期状態と逆向きに通電します。手前の白い歯は下と、奥の色のついた歯は上と引き合います。●印は、さらに反時計方向に移動しました。
③B相に、①と逆向きに通電します。手前の白い歯は左極と、奥の色のついた歯は右極と引き合います。
④A相に、初期状態と同じように通電します。●印は、初期状態に対して歯1つ分ずれました。
このように、①~④の4ステップで、ロータは反時計方向に歯1ピッチ分移動しました。

時計方向に回転させるには、④~①の順に通電を制御します。

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図3 ステッピングモータの動作